化学物質検出方法
专利摘要:
本発明は、サンプル中の被分析物(10)の検出方法であって、焦電または圧電素子および電極を有する、エネルギー変化を電気信号へ変換することが可能な変換器と、その変換器上に固定化された第1の試薬と、電磁放射線を吸収して無放射性崩壊によりエネルギーを発生することが可能な標識を有する、第1の試薬と解離可能なように結合した第2の試薬(11)とを準備する工程(第1の試薬または第2の試薬のいずれかが、他方との結合を可能とし、かつ被分析物またはその被分析物の誘導体と優先的に結合することが可能な結合部位を有する)、変換器をサンプルに曝露し、それによって被分析物またはその被分析物の誘導体を結合部位と結合させ第2の試薬を置換する工程、そのサンプルに電磁放射線を照射する工程、発生したエネルギーを電気信号へ変換する工程、およびその電気信号を検出する工程を含む方法に関する。本発明はまた、その方法を実施するための装置も提供する。 公开号:JP2011516851A 申请号:JP2011502436 申请日:2009-03-31 公开日:2011-05-26 发明作者:スティーブン、アンドリュー、ロス;ティモシー、ジョセフ、ニコラス、カーター 申请人:ビバクタ、リミテッドVivacta Limited; IPC主号:G01N21-00
专利说明:
[0001] 技術分野 本発明は、化学物質の検出方法、特に、圧/焦電変換器を有する化学物質検出装置を使用するイムノアッセイに関する。] [0002] 背景技術 イムノアッセイは、体液中の被分析物の存在、すなわち、より一般的には濃度を測定する試験である。イムノアッセイは、一般に抗原と抗体との特異的結合を伴う。この抗体はポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよく、モノクローナル抗体には製造の再現性や一つのエピトープと被分析物との結合の束縛などいくつかの利益がある。被分析物の濃度の定量化可能な指標を与えるために、反応を既知濃度の標準サンプルと比較する。抗体または抗原の濃度は様々な方法によって決定し得るが、最も一般的な方法の一つが、抗原または抗体のいずれかを標識し、その標識の存在を検出することである。] [0003] イムノアッセイは競合する場合も競合しない場合もある。競合イムノアッセイでは、未知サンプル中の抗原は、存在する抗体と結合するために標識抗原(リポーター)と競合する。そこで、抗体部位と結合した標識抗原の量を測定する。明らかにこの反応は未知サンプル中の抗原の濃度に反比例するであろう。免疫測定法とも呼ばれている非競合イムノアッセイでは、未知サンプル中の抗原は、過剰の標識抗体の存在下で捕捉抗体と結合することにより「サンドイッチ」を形成し、この「サンドイッチ」の結合抗原の量を測定する。競合法とは異なり、非競合法の結果は、抗原の濃度に正比例するであろう。] [0004] 典型的な競合イムノアッセイでは、目的の抗原に対して特異的な抗体をポリスチレンシートのようなポリマー支持体に固定化する(すなわち、結合させる)。1滴の試験サンプル、例えば、細胞抽出物または血清もしくは尿のサンプルをシート上に置く。さらに、このサンプルに既知量のリポーター(すなわち、標識した)抗原を加える。そこで、標識抗原と非標識抗原とは、ポリマー支持体上に固定化した抗体との結合のために競合する。抗体-抗原複合体の形成後ポリマー支持体を洗浄する。シートに結合したリポーター抗原の濃度を決定する。その際、リポーター抗原のシグナルはサンプル中の抗原の量に反比例する。このアッセイおよびこの種のアッセイの他の変形は周知である(例えば、" The Immunoassay Handbook, 2nd Ed." David Wild, Ed., Nature Publishing Group, 2001参照)。] [0005] このイムノアッセイの変形は、いわゆる「置換イムノアッセイ(displacement immunoassay)」である。このアッセイでは、リポーター抗原を、ポリマー支持体上に存在する抗体と予め結合しておく。そこで、未知抗原をその系に加え、その抗原が支持体表面のリポーター抗原と置き換わる。リポーター抗原の喪失を決定し、それをサンプル中の未知抗原の濃度と同じと見なす。しかしながら、リポーター抗原置換の測定は決して単純ではない。] [0006] 例えば、Gieseらの米国特許第4,801,726号公報には、同様の手法が記載されている。いわゆる「ヒットエンドラン」イムノアッセイでは、固定化抗原カラムに予め結合しておいた蛍光標識抗体が、そのカラムを通過する水流にアリコートのサンプルを加えた時に置換される。そのアリコートが被分析物を含む場合には、ごくわずかのリポーター抗体が置換され、下流の流出液において蛍光分析測定される。これは「反復」イムノアッセイとして設計され、同じカラムを何度も再使用する。この概念は爆発物の連続スクリーニングと極めて断続的な検出のために開発された。Liglerらの米国特許第5,183,740号公報には、TNTのための極めてよく似た蛍光測定カラムに基づくシステムが記載されている。これは同じグループによってメンブレンに基づくシステムへとさらに発展した(米国特許第6,750,031号公報およびRabbany et al. Biosensors & Bioelectronics 1998, 13, 939-944)。これら総てのケースではカラムまたはメンブレンにおいて免疫置換が起こり、下流の計器においてその検出が生じる。] [0007] Herronらの米国特許第6,979,567号公報には、飽和した表面の被分析物の置換を測定することを含む、競合イムノアッセイにおける全反射照明蛍光検出器の使用が記載されている。V.I. Chegel et al. Sensors Actuators B 1998, 48, 456-460およびP.T. Charles et al. Anal. Chim. Acta 2004, 525, 199-204には、リポーター種を検出するための蛍光/化学発光方法を用いた置換アッセイが記載されている。] [0008] しかしながら、依然として、当技術分野ではより単純な検出方法論が必要とされている。] [0009] よって、本発明は、サンプル中の被分析物の検出方法であって、 焦電または圧電素子および電極を有する、エネルギー変化を電気信号へ変換することが可能な変換器と、その変換器上に固定化された第1の試薬と、電磁放射線を吸収して無放射性崩壊(non-radiative decay)によりエネルギーを発生することが可能な標識を有する、第1の試薬と解離可能に結合した第2の試薬とを準備する工程(第1の試薬または第2の試薬のいずれかが、他方との結合を可能にし、かつ被分析物またはその被分析物の誘導体と優先的に結合することが可能な結合部位を有する)、 変換器をサンプルに曝露し、それによって被分析物またはその被分析物の誘導体を結合部位と結合させ、第2の試薬を置換する工程、 そのサンプルに電磁放射線を照射する工程、 発生したエネルギーを電気信号へ変換する工程、および その電気信号を検出する工程 を含む方法を提供する。] [0010] 本発明はまた、サンプル中の被分析物の検出装置であって、 焦電または圧電素子および電極を有する、エネルギー変化を電気信号へ変換することが可能な変換器と、 その変換器上に固定化された第1の試薬と、 電磁放射線を吸収して無放射性崩壊によりエネルギーを発生することが可能な標識を有する、第1の試薬と解離可能に結合した第2の試薬(ここで、第1の試薬または第2の試薬のいずれかは、他方との結合を可能にしかつ被分析物またはその被分析物の誘導体と優先的に結合することが可能な結合部位を有する)と、 電磁放射線源と、 その電気信号を検出するための検出器と を含む装置も提供する。] [0011] 本発明はさらに、置換イムノアッセイにおいて標識試薬を測定するための、焦電または圧電素子および電極を含む変換器の使用も提供する。] 図面の簡単な説明 [0012] 本発明は図面を参照して、理解されるであろう。 WO2004/090512号公報による装置を示す図である。 本発明の方法の模式図を示す図である。 本発明の方法の模式図を示す図である。 本発明の方法の模式図を示す図である。 本発明による装置を示す図である。 本発明の方法を用いた、二つのアッセイについての時間に対するカウントのグラフを示す図である。 本発明の方法を用いた、二つのアッセイについての時間に対するカウントのグラフを示す図である。] 発明の具体的説明 [0013] 本発明の方法は、サンプル中の被分析物の検出を提供する。第1の工程として、この方法は、焦電または圧電素子および電極を有する、エネルギー変化を電気信号へ変換することが可能な変換器を準備することおよびその変換器にサンプルを曝露することを含む。そのような変換器は当技術分野で公知である(例えば、WO 90/13017号公報およびWO 2004/090512号公報参照)。これに関連して、図1は、本発明における使用に好適な化学的検出装置1の原理を示す。装置1は、電磁放射線で物質2を照射した時の物質2における発熱に依存する。装置1は、電極被覆4,5を施した焦電または圧電変換器3を含む。変換器3は、好ましくは、分極したポリフッ化ビニリデンフィルムである。電極被覆4,5は、酸化インジウムスズから形成され、厚さが約35nmであることが好ましいが、1nmの下限から(1nm未満では導電性が低すぎる)100nmの上限(100nmを超えると光透過率が低すぎる)でほとんど総ての厚さが可能である(95%T未満にしてはならない)。物質2は、任意の好適な技術を用いて変換器3の上または近位に保持するが、ここでは、上側の電極被覆4上に固定化した状態を示す。この試薬は、いかなる好適な形態にあってもよく、複数の試薬を被着してもよい。好ましくは、物質2は、上側の電極に吸着させる、例えば、共有結合させるかまたは分子間力、例えば、イオン結合、水素結合もしくはファンデルワールス力により結合させる。この装置の重要な特徴は、電磁放射線(例えば、光、好ましくは可視光)源6により照射した時に、物質2が発熱することである。光源は、例えば、LEDであってよい。光源6は、適当な波長(例えば、補色)の光を物質2に照射する。理論には拘束されないが、物質2は、光を吸収して励起状態となり、この励起状態は、その後、無放射性崩壊を受け、それによって、図1において曲線で示すエネルギーを発生すると考えられる。このエネルギーは、主として熱形態(すなわち、環境における熱運動)であるが、他の形態のエネルギー、例えば、衝撃波も発生する可能性がある。しかしながら、このエネルギーは、変換器によって検出され、電気信号へ変換される。本発明の装置は測定している特定の試薬に対して較正され、従って、無放射性崩壊によって発生するエネルギーの正確な形態を決定する必要はない。特に断りのない限り「熱」という用語は、無放射性崩壊によって発生するエネルギーを意味するように本明細書において用いられる。光源6は、物質2を照射するように配置する。好ましくは、光源6は、変換器3および電極4,5に対して実質的に垂直に配置し、変換器3および電極4,5を通して物質2を照射する。光源は、変換器内の内部光源であってもよく、その場合、光源は導波系(guided wave system)である。導波管は、変換器自体であってよいし、導波管は、その変換器上に固定化された追加の層であってもよい。波長525nmを用いることが好ましいが、例えば、WO2007/107716号公報に記載されている有利な特性を有する他の好適な波長も用いてもよい。] 図1 [0014] 物質2より発生したエネルギーは、変換器3により検出され、電気信号へ変換される。電気信号は、検出器7により検出される。光源6および検出器7は、どちらも制御装置8の制御下にある。] [0015] 一つの実施形態において、光源6は、「チョップトライト(chopped light)」と呼ばれる一連の光パルス(本明細書において用いる「光」という用語は、特定の波長が記載されていない限り、いかなる形の電磁放射線をも意味する)を生成する。原理として、単一閃光、すなわち、1回の電磁放射線パルスは、変換器3から信号を発生させるのに十分である。しかしながら、再現性のある信号を得るには、複数回の閃光を使用し、これは実際にはチョップトライトを必要とする。印加電磁放射線パルスの周波数は変更し得る。下限において、パルス間の時間遅延は、各パルスと電気信号の発生との間の時間遅延を決定するのに十分でなければならない。上限において、各パルス間の時間遅延は、データの記録に要する時間が不合理に延びる程大きくてはならない。好ましくは、前記パルスの周波数は、2〜50Hz、より好ましくは5〜15Hz、最も好ましくは10Hzである。これは、パルス間の時間遅延20〜500ミリ秒、66〜200ミリ秒、および100ミリ秒にそれぞれ相当する。加えて、いわゆる「マーク−スペース」比、すなわち、オン信号とオフ信号との比は、好ましくは1であるが、他の比も有害な影響を及ぼさずに用い得る。様々なチョッピング周波数または様々なマーク−スペース比のチョップトライトを発生させる電磁放射線源は当技術分野で公知である。検出器7は、光源6からの各光パルスと、変換器3からの、検出器7により検出される対応する電気信号との間の時間遅延(すなわち、「相関遅延」)を決定する。本出願者は、この時間遅延が距離dの関数であることを見出した。] [0016] 各光パルスと、対応する電気信号との間の時間遅延を決定するための、再現性のある結果をもたらすいかなる方法も用いてもよい。好ましくは、時間遅延は、各光パルスの開始から熱吸収に対応する電気信号の最大値が検出器7により検出される時点まで測定する。] [0017] 上述のように、物質2は変換器表面から分離し得、信号も検出し得る。さらに、変換器3へエネルギーを伝達することが可能な介在媒質を通じて信号を検出できるだけでなく、様々な距離dも識別し得(これは、「デプスプロファイリング」と呼ばれている)、受信される信号の強度は、変換器3の表面からの特定の距離dにおける物質2の濃度に比例する。] [0018] 図2は、本発明による置換イムノアッセイにおける図1の装置1を示す。この実施形態において、第1の試薬は抗体であり、第2の試薬は標識した被分析物である。図2aにおいて変換器3を垂直配置において示す。この配置の利点は以下にさらに詳述する。変換器3は、第1の試薬(図2では抗体9(固定化した捕捉抗体)として示した)で被覆されている。抗体9は、被分析物10に対するものであり(図2b参照)、サンプルを入れた時に被分析物10と選択的に結合する。変換器は、標識した被分析物11(図1の物質2に対応する)も有している。標識被分析物11は、所望によりリンカー14を通じて、複数の被分析物部分13を有する標識12を含む。抗体9を過剰の標識被分析物11とともにプレインキュベートする。次いで、抗体9層を有する変換器3を、一般に防腐層(示していない)で覆い、乾燥させる。この状態において、変換器を長期間保存し得る。] 図1 図2a 図2b [0019] 使用時には、図2bで示されるように、変換器は、未知濃度の被分析物10を含有するサンプルに曝露される。被分析物10は、変換器表面へ急速に拡散し、抗体9の標識被分析物11を置換する(図2c参照)。被分析物は標識被分析物(第2の試薬)よりも結合定数が高いため、すなわち、被分析物は、標識被分析物(第2の試薬)の「結合」反応速度と比べて「結合」反応速度が速く、または標識被分析物の「解離」反応速度と比べて「解離」反応速度が遅く、またはその両方のため、このような置換は通常に起こるであろう。この反応は、図1を参照して上記に説明した方法により変換器3を使用してリアルタイムに測定することができる。このアッセイは、アッセイ開始時に変換器表面上にあるもの以外の試薬を用いずに実施し得るため、このアッセイは「無試薬式」とも呼ばれる。好ましくは、第1の試薬および第2の試薬が、存在する唯一の試薬である。図2cに示したアッセイは、サンプル中、高濃度の被分析物の存在下での標識被分析物の置換についての模式図である。図2dおよび図2eは、それぞれ、低濃度の被分析物での置換を示す。これによりもたらされる、変換器3の表面から解離される標識被分析物11はより少ない。表面から解離された第2の試薬は、表面から離れて自由に拡散する。表面からの第2の試薬の除去は、例えば、重力/浮力下で、促進し得るが、好ましくは、第2の試薬が拡散だけで表面から分離されるようにする。] 図1 図2b 図2c 図2d 図2e [0020] 本発明の方法は、分離および洗浄工程を用いずに、リアルタイムに(標識被分析物11の置換を測定することにより間接的にではあるが)被分析物10の結合の検出を可能にする。これは当技術分野において重要な利点である。よって、好ましい実施形態において、アッセイは、アッセイ中のいかなる時点においても変換器3からサンプルを取り出すこと無しに実施される。さらに、変換器をサンプルに曝露することとそのサンプルを照射することとの間にさらなる介入(例えば、結合している第2の試薬と結合していない第2の試薬とを分離すること)を必要としない。] [0021] 図3は、第1の試薬が固定化した被分析物であり、第2の試薬が標識抗体である実施形態を示している。図3aにおいて変換器3を垂直配置で示している。図3aの第1の試薬は固定化した被分析物15である。第2の試薬は標識抗体16(リポーター抗体)であり、これが図1の物質2に対応する。標識抗体16は、複数の抗体17を有する標識12を含む。抗体17は、被分析物10に対するものであり、サンプルを入れた時に被分析物と選択的に結合する。] 図1 図3a [0022] 使用時には、図3bで示されるように、変換器は、未知濃度の被分析物10を含有するサンプルに曝露される。被分析物10は、変換器表面へ急速に拡散し、その結合定数が高くまたは第2の試薬の「解離」反応と比べて「結合」反応速度が速いため、抗体17の固定化被分析物15を置換する(図3c参照)。この反応は、図1を参照して上記に説明した方法により変換器3を使用してリアルタイムに測定することができる。] 図1 図3b 図3c [0023] 図2および図3を参照して、サンプルを加える前に、変換器上に固定化した第1の試薬と、第2の試薬とを解離可能なように互いに結合させることを示した。この結合は、一般に、非共有分子間力、例えば、抗体と抗原との間または相補的核酸間の結合によるものであろう。この結合は被分析物またはその誘導体によって破壊され、第1の試薬にある第2の試薬の置換につながる可能性があるという点においてこの結合は解離可能である。第1の試薬と第2の試薬との結合を可能にする結合部位は、第1の試薬、第2の試薬または両方の試薬に存在してよく、被分析物またはその被分析物の誘導体と優先的に結合することが可能である。被分析物の存在が第1の試薬と、第2の試薬との結合の破壊につながり、被分析物またはその誘導体に対する結合部位を有する試薬が被分析物またはその誘導体と結合するという点においてこの結合は優先的である。] [0024] 図2および図3では、関連試薬を抗体、すなわち、固定化した捕捉抗体(図2)またはリポーター抗体(図3)により例示しているが、本発明はそれに限定されない。従って、図2の第1の試薬および図3の第2の試薬は、好ましくは抗体であるが、他の試薬、例えば、核酸も用い得る。好ましい実施形態において、本発明は、サンプル中の被分析物(ハプテン)を検出するために(置換)イムノアッセイを実施する方法であって、焦電または圧電素子および電極を有する、エネルギー変化を電気信号へ変換することが可能な変換器と、その変換器上に固定化された捕捉抗体と、電磁放射線を吸収して無放射性崩壊によりエネルギーを発生することが可能な標識を有する、捕捉抗体と結合した標識被分析物とを準備する工程、変換器をサンプルに曝露し、それによって被分析物またはその被分析物の誘導体を固定化された捕捉抗体と結合させ変換器の標識被分析物を置換する工程、そのサンプルに電磁放射線を照射する工程、発生したエネルギーを電気信号へ変換する工程、およびその電気信号を検出する工程を含む方法を提供する。あるいは、焦電または圧電素子および電極を有する、エネルギー変化を電気信号へ変換することが可能な変換器と、その変換器上に固定化された被分析物と、電磁放射線を吸収して無放射性崩壊によりエネルギーを発生することが可能な標識を有する、固定化された被分析物と結合した標識抗体とを準備する工程、変換器をサンプルに曝露し、それによって被分析物またはその被分析物の誘導体を標識抗体と結合させ変換器の標識抗体を置換する工程、そのサンプルに電磁放射線を照射する工程、発生したエネルギーを電気信号へ変換する工程、およびその電気信号を検出する工程を含む。] [0025] 図2および図3では、変換器3の表面に固定化された第1の試薬9,15を示しており、好ましくは、変換器に吸着させる。この表面はまた、表面を安定させるためにさらなる被覆剤、例えば、SurModics Inc, Eden Prairie, MN, USAのStabilcoatにより被覆し得る。] [0026] 図2および図3を参照して論じたとおり、標識12は、放射線源により発生した電磁放射線を吸収して無放射性崩壊によりエネルギーを発生することが可能である。よって、変換器3の近位にある標識12の存在を検出するために、サンプルに一連の電磁放射線パルスを照射する。変換器3は、発生したエネルギーを電気信号へ変換し、その電気信号は検出器7により検出される。] [0027] 標識12は、放射線源により発生した電磁放射線と相互作用して無放射性崩壊によりエネルギーを発生することが可能な任意の材料であり得る。好ましくは、この標識は、限定されるものではないが、炭素粒子、着色ポリマー粒子(例えば、着色ラテックス)、色素分子、酵素、蛍光分子、金属(例えば、金)粒子、ヘモグロビン分子、磁性粒子、非導電性コア材料および少なくとも一つの金属シェル層を有するナノ粒子、赤血球、およびそれらの組合せから選択される。] [0028] 磁性粒子の場合、電磁放射線は高周波である。上述した他の標識は総て光線を使用し、光線にはIRまたは紫外線放射が含まれ得る。金粒子は市販されており、公知の方法を用いて調製もし得る(例えば、G. Frens, Nature, 241, 20-22 (1973)参照)。ナノ粒子標識のさらに詳細な説明については米国特許第6,344,272号公報およびWO2007/141581号公報参照。] [0029] 一つの実施形態(拡散律速)において、本発明は、粒径20〜1,000nm、より好ましくは100〜500nmの粒子を使用する。粒径とは、最も広い部分における粒子の直径を意味する。好ましくは、この粒子は、密度0.5〜3.0g/mL、より好ましくは1.5〜2.0g/mL、最も好ましくは1.8g/mLを有する。特に好ましい実施形態において、前記粒子は、上述の粒径および密度を有する炭素粒子であるが、他の材料、例えば、ポリスチレンまたはラテックスも使用することができる。] [0030] もう一つの実施形態(重力支援)において、本発明は、粒径20〜1,000nm、より好ましくは100〜500nmの粒子を使用する。好ましくは、この粒子は、密度1.5〜23g/mL、より好ましくは、15〜20g/mL、最も好ましくは19g/mLを有する。特に好ましい実施形態において、前記粒子は、上述の粒径および密度を有する金粒子であるが、他の高密度材料、例えば、オスミウムまたはイリジウムも使用することができる。] [0031] 標識12は、結合事象が起こると変換器の近位に存在する。すなわち、標識は、サンプルの照射によって標識より発生したエネルギーを変換器が検出できるほど変換器の表面に近い。しかしながら、標識と変換器の表面との実際の距離は、複数の変数、例えば、標識の大きさおよび性質、抗体および被分析物の大きさおよび性質、サンプル媒質の性質、ならびに電磁放射線の性質およびそれに対応する検出器の設定に依存するであろう。電磁放射線の性質に関しては、本発明の装置は、一連の電磁放射線パルスを生成するように構成された放射線源と、放射線源からの各電磁放射線パルスと電気信号の発生との間の時間遅延を決定するように構成された検出器を有してもよく、それによって、図1を参照して論じたように、変換器に対する標識の位置の正確な決定が可能になる。] 図1 [0032] 未知サンプルは被分析物を含有すると予想されるが、当然、被分析物の存在または非存在を決定するために本発明のアッセイを用い得る。被分析物は、好ましくは小分子であり、それは本発明のアッセイがそのような分子に理想的に適している範囲においてであるが、本発明はそれに限定されない。本明細書において用いる「小分子」という用語は、当技術分野の用語であり、タンパク質および核酸などの高分子と、その分子とを区別するために用いられる。イムノアッセイの分野では小分子は「ハプテン」と呼ばれることが多く、「ハプテン」はタンパク質などの大きな担体分子と結合した時に免疫応答を引き起こし得る小分子であり、ホルモンおよび合成薬物などの分子が含まれる。この種の小分子は、一般に、分子量が2,000以下、多くの場合には1,000以下、さらには500以下であろう。第1の試薬は、被分析物自体と結合するように構成し得るが、その被分析物は第1の試薬との結合の前に化学反応または初期複合体形成事象を受ける可能性がある。例えば、被分析物は、アッセイ条件のpHにおいてプロトン化/脱プロトン化を受ける可能性がある。よって、第1の試薬と結合する被分析物は、被分析物自体またはその被分析物の誘導体でありえ、そのどちらも本発明の範囲内に含まれる。] [0033] 対象となる被分析物を含有するか否かが不明であるサンプルは、一般的には流体サンプル、通常は、体液などの生体サンプル(例えば、血液、血漿、唾液、血清、または尿)であろう。このようなサンプルは、浮遊粒子を含む可能性があり、全血であってもよい。本発明の方法の利点は、浮遊粒子を含むサンプルにおいてアッセイの結果に不都合に影響を及ぼすことなくアッセイを実施し得るということである。このようなサンプルは、一般に、マイクロリットルのオーダー(例えば、1〜100μL、好ましくは1〜10μL)であろう。流体サンプルを維持するために、変換器は、好ましくは、二つの側壁、上面、および下面を有するサンプルチャンバー、より好ましくはウェル内に設置されている。好ましい実施形態において、変換器は、チャンバーと一体化される、すなわち、変換器は、そのチャンバーを規定する側壁、または上面もしくは下面の一つを形成する。試薬9および標識被分析物11は、サンプルと接触させるためにチャンバーの内部表面に存在することは明らかである。サンプルは、表面張力により、例えば、毛細管チャネル内に簡単に保持され得る。] [0034] 本発明の実施形態においては、変換器の表面の標識被分析物11の置換を手助けするために重力を用い得る。すなわち、変換器はチャンバーの上面を形成し、標識被分析物はサンプルの媒質より密度が高いか、または変換器はチャンバーの下面を形成し標識はサンプルの媒質より密度が低い。標識被分析物がサンプルの液体媒質より密度が高い場合には、標識被分析物は重力の影響下でサンプルチャンバーの下面(底)へと沈む。一方、標識被分析物がサンプルの液体媒質より密度が低いと標識被分析物は浮力下でサンプルチャンバーの上面(リッド)へと浮く。言い換えれば、標識被分析物の置換は、重力/浮力下で沈降によるかまたは浮力により支援を受ける。これは、図4を参照してさらに詳細に示す。] [0035] 図4a〜図4eは、変換器がサンプルチャンバーの上面を形成する場合の本発明のアッセイを示す。図4aにおいて、変換器3は、固定化された抗体9の層と、標識被分析物11の層とを有する。サンプルを加えると、図4bで示されるように、被分析物10は変換器へ拡散する。図4c〜図4eでは、低、中間、および高被分析物濃度についての標識被分析物11の置換を概略的に示す。標識被分析物はサンプル媒質より密度が高いため、重力の影響下で沈む傾向がある。] 図4a 図4b 図4c 図4d 図4e [0036] 本発明はまた、本明細書に記載のアッセイを実施するための装置も提供する。好ましい実施形態において、この装置は上記の特徴から本質的になる。「本質的に」とは、アッセイを実施するために他の特徴を必要としないということを意味する。この装置は、変換器を有する手持ち式携帯読取装置や使い捨ての装置の形態をとり得る。サンプルを本質的に閉鎖的なシステムに入れ、第2の試薬と混合し、サンプルの照射と生じた電気信号の検出を実施する読取装置内に置く。本発明はさらに、本明細書に記載の置換イムノアッセイにおいて標識試薬を測定するための、焦電または圧電素子および電極を含む変換器の使用も提供する。] [0037] 実施例1 活性ピエゾ/パイロフィルムバイオセンサーの調製 次の実施例において検出装置として使用する、酸化インジウムスズで被覆した、分極した圧電性ポリフッ化ビニリデン(PVDF)バイモルフフィルムを低湿度環境においてポリスチレン溶液(トルエン中1%)により浸漬被覆して、酸化インジウムスズの上にポリスチレン層を施した。次いで、これをポリストレプトアビジン溶液(PBS中200μg/mL−10mmol/Lリン酸バッファー、pH7.5、2.7mmol/L KCl、137mmol/L NaCl、および0.05%Tweenを含有する)中で、室温で一晩のインキュベーションにより被覆した。Tischerらによる米国特許第5,061,640号公報に記載されている通り、ポリストレプトアビジンを調製した。] [0038] 「捕捉」表面を調製するために、ポリストレプトアビジン表面を、ビオチン化抗テストステロンとともにインキュベートして抗体被覆表面(C1)を与えるか、またはビオチン化テストステロンとともにインキュベートして抗原被覆表面(C2)与えた。C1については、PBS中10μg/mLのビオチン化抗テストステロン(HyTest Ltd, Turku, Finland,カタログ番号2T2−ビオチン、またはAccurate Chemical Co, Westbury, New York, USA, カタログ番号BHS113)を室温で一晩インキュベートした後、過剰のPBSで洗浄し、Stabilcoat(SurModics Inc, Eden Prairie, MN, USA)で被覆し、その後40℃で乾燥させた。C2については、PBS中30nmol/Lの7α−C6−ビオチン化テストステロン(Luppa et al. Clin. Chem. 1997, 43, 2345に記載のとおり調製したもの)を室温で一晩インキュベートした後、過剰のPBSで洗浄し、Stabilcoat (SurModics Inc, Eden Prairie, MN, USA)で被覆し、その後40℃で乾燥させた。] [0039] 実施例2 炭素標識リポーターコンジュゲートの調製 本質的にはVan Doomらによる米国特許第5,641,689号公報に記載されているとおりに、炭素標識リポーターコンジュゲートを調製した。抗体被覆リポーターコンジュゲート(R1)を調製するために、5mmol/Lリン酸バッファー、pH6.2中1mLのSpecial Black-4 RCCの名目上150nmの炭素粒子(Degussa, Essen, Germany)を200μg/mLポリストレプトアビジン溶液とともに室温で一晩振盪しながらインキュベートし、結果としてストレプトアビジン被覆表面(A1)を得た。得られた炭素コンジュゲートを(遠心分離、ペレット化および再懸濁により)洗浄した 次いで、このストレプトアビジン被覆炭素粒子懸濁液1mLとともにPBS中10μg/mLのビオチン化抗テストステロン(HyTest Ltd, Turku, Finland,カタログ番号2T2−ビオチン、またはAccurate Chemical Co, Westbury, New York, USA, カタログ番号BHS113)を一晩振盪しながらインキュベートした。得られた炭素コンジュゲートをpH8.5の0.05mol/Lホウ酸バッファーを用いて(遠心分離、ペレット化および再懸濁により)3回洗浄し、このバッファー中、暗所4℃で保存した。抗原被覆リポーター(R2)を調製するために、5mmol/Lリン酸バッファー、pH6.2中、1mLのストレプトアビジン被覆炭素粒子(A1)を30nmol/Lの7α−C6−ビオチン化テストステロン(Luppa et al. Clin. Chem. 1997, 43, 2345に記載のとおり調製したもの)とともに室温で一晩振盪しながらインキュベートした。得られた炭素コンジュゲートを、上記のようにpH8.5の0.05mol/Lホウ酸バッファーで3回洗浄し、このバッファー中、暗所4℃で保存した。] [0040] 実施例3 金標識リポーターコンジュゲートの調製 本質的にはFrens G. Nature 1973, 241, 20-22またはRoth J. The colloidal gold marker system for light and electron microscopic cytochemistry. In Bullock GR, Petrusz P, eds. Techniques in immunocytochemistry, Vol 2. New York, NY, Academic Press, 1983, 216-284に記載されているとおりに、金標識リポーターコンジュゲートを調製した。抗体被覆リポーターコンジュゲート(R3)を調製するために、5mmol/Lリン酸バッファー、pH6.2中、1mLの単分散の名目上150nmの金粒子(BBI International, Cardiff, UK)を200μg/mLストレプトアビジン溶液とともに室温で一晩振盪しながらインキュベートし、結果としてストレプトアビジン被覆表面(A2)を得た。得られた金コンジュゲートを(遠心分離、ペレット化および再懸濁により)洗浄した。次いで、このストレプトアビジン被覆金粒子懸濁液1mLとともにPBS中、10μg/mLのビオチン化抗テストステロン(HyTest Ltd, Turku, Finland,カタログ番号2T2−ビオチン、またはAccurate Chemical Co, Westbury, New York, USA, カタログ番号BHS113)を一晩振盪しながらインキュベートした。得られた金コンジュゲートをpH8.5の0.05mol/Lホウ酸バッファーを用いて(遠心分離、ペレット化および再懸濁により)3回洗浄し、このバッファー中、暗所4℃で保存した。抗原被覆リポーター(R4)を調製するために、5mmol/Lリン酸バッファー、pH6.2中、1mLのストレプトアビジン被覆金粒子(A2)を30nmol/Lの7α−C6−ビオチン化テストステロン(Luppa et al. Clin. Chem. 1997, 43, 2345に記載のとおり調製したもの)とともに室温で一晩振盪しながらインキュベートした。得られた金コンジュゲートを、上記のようにpH8.5の0.05mol/Lホウ酸バッファーで3回洗浄し、このバッファー中、暗所4℃で保存した。] [0041] 実施例4 試薬被覆抗体被覆フィルムの調製 試薬被覆抗体被覆ピエゾフィルム表面を調製するために、1枚の抗体被覆ピエゾフィルム(C1、上記)を、抗原被覆炭素試薬(R2)または抗原被覆金試薬(R4)(上記参照)のいずれかとともにPBS中で室温で一晩インキュベートした後、過剰のPBSで洗浄し、Stabilcoat (SurModics Inc, Eden Prairie, MN, USA)で被覆し、その後40℃で乾燥させ、それぞれ、炭素試薬被覆反応表面(C3)または金試薬被覆反応表面(C4)を得た。] [0042] 実施例5 試薬被覆抗原被覆フィルムの調製 試薬被覆抗原被覆ピエゾフィルム表面を調製するために、1枚の抗原被覆ピエゾフィルム(C2、上記)を、抗体被覆炭素試薬(R1)または抗体被覆金試薬(R3)(上記参照)のいずれかとともにPBS中で、室温で一晩インキュベートした後、過剰のPBSで洗浄し、Stabilcoat (SurModics Inc, Eden Prairie, MN, USA)で被覆し、その後40℃で乾燥させ、それぞれ、炭素試薬被覆反応表面(C5)または金試薬被覆反応表面(C6)を得た。] [0043] 実施例6 アッセイ:試薬被覆ピエゾフィルムセンサー、炭素標識、単純「拡散」アッセイ 図5で示されるように、センサー1を作製して、このアッセイを実施した。センサー1は、1枚の抗体被覆ピエゾフィルム3(C3またはC5、上記)と、1枚の透明なポリカーボネート蓋材フィルム14とから作製する。これらのフィルムは、粘着ポリエステルフィルムダイカットのスペーサー18ピースを用いおよそ500μmの距離をおいて配置して、大きさの異なる二つのチャンバー19,20を形成する、アッセイ反応用のおおよその寸法30x10x0.5mmの一つのチャンバーおよび対照反応用の寸法10x10x0.5mmの小さい方の第2のチャンバー20。発生した電荷を検出するためにピエゾフィルムの上面および底面への電気接続を可能にするようになっている。] 図5 [0044] 大きい方のチャンバー19に(充填ホール21を通じて)PBS中のテストステロン標準品を充填して終濃度範囲0.1〜100nmol/Lとすることによりアッセイを実施する。同時に、対照チャンバー20には、テストステロン標準品をPBSに置き換えている、前記アッセイチャンバーのものと同じ反応混合物を充填する。入口および出口ホールを塞ぎ、ピエゾフィルムがチャンバーの側面に対して垂直に向くようにチャンバーアセンブリーを試験計器に接続する。そこで、チョップトLEDライト(choppedLED light)を用いて四つのLED(波長625nm)で連続的にピエゾフィルムに照射し、そのうちの三つのLEDはアッセイチャンバーの表面の異なる領域に照射し、一つのLEDは対照チャンバーのピエゾフィルム表面に照射する。各LEDパルスについて、ロックイン増幅器およびアナログ・デジタル(ADC)コンバーターを使用してピエゾフィルムを通した電圧を測定する。ADC信号を経時的にプロットし、テストステロン濃度とADC数/分の関係を図6に示している。信号の変化だけを示すように反応開始時点のデータを目盛ゼロに合わせた。] 図6 [0045] 実施例7 アッセイ:試薬被覆ピエゾフィルムセンサー、金標識、「重力支援拡散」アッセイ このアッセイを実施するために、実施例6に記載したとおりにサンプルチャンバーを作製する(C4またはC6、上記)。このアッセイは、ピエゾフィルムをチャンバーの上面のピエゾフィルムに水平に向けること以外は実施例6と同様に計画する。そこで、チョップトLEDライトを用いて四つのLED(より大きな金標識を検出するのに好適な波長、名目上625nm、WO2007/107716号公報参照)で連続的にピエゾフィルムに照射し、そのうちの三つのLEDはアッセイチャンバーの表面の異なる領域に照射し、一つのLEDは対照チャンバーのピエゾフィルム表面に照射する。各LEDパルスについて、ロックイン増幅器およびアナログ・デジタル(ADC)コンバーターを使用してピエゾフィルムを通した電圧を測定する。ADC信号を経時的にプロットし、テストステロン濃度とADC数/分との関係を図7に示す。信号の変化だけを示すように反応開始時点のデータを目盛ゼロに合わせた。] 図7
权利要求:
請求項1 サンプル中の被分析物の検出方法であって、焦電または圧電素子および電極を有する、エネルギー変化を電気信号へ変換することが可能な変換器と、その変換器上に固定化された第1の試薬と、電磁放射線を吸収して無放射性崩壊によりエネルギーを発生することが可能な標識とを有する、第1の試薬と解離可能に結合した第2の試薬とを準備する工程(第1または第2の試薬のいずれかが、他方との結合を可能とし、かつ被分析物またはその被分析物の誘導体と優先的に結合することが可能な結合部位を有する)、変換器をサンプルに曝露し、それによって被分析物またはその被分析物の誘導体を結合部位と結合させ、第2の試薬を置換する工程、そのサンプルに電磁放射線を照射する工程、発生したエネルギーを電気信号へ変換する工程、およびその電気信号を検出する工程を含む、方法。 請求項2 前記変換器が二つの側壁、上面、および下面を有するサンプルチャンバー内に設置されているものである、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記変換器が前記チャンバーの側壁の一つを形成しているものである、請求項1または2に記載の方法。 請求項4 前記変換器が前記チャンバーの上面を形成し、前記第2の試薬が前記サンプルの媒質より密度が高いものである、請求項1または2に記載の方法。 請求項5 前記変換器が前記チャンバーの下面を形成し、前記第2の試薬が前記サンプルの媒質より密度が低いものである、請求項1または2に記載の方法。 請求項6 前記第1の試薬が固定化された抗体であり、前記第2の試薬が標識被分析物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。 請求項7 前記第1の試薬が固定化された被分析物であり、前記第2の試薬が標識抗体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。 請求項8 前記変換器が、前記変換器上の防腐被膜、第1の試薬、および第2の試薬をさらに含んでなるものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。 請求項9 前記標識が、炭素粒子、着色ポリマー粒子、色素分子、酵素、蛍光分子、金属(例えば、金)粒子、ヘモグロビン分子、磁性粒子、非導電性コア材料および少なくとも一つの金属シェル層を有するナノ粒子、赤血球、およびそれらの組合せから選択されるものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 請求項10 前記第1の試薬が前記変換器に吸着されているものである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 請求項11 前記サンプルが浮遊粒子を含むものである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。 請求項12 前記サンプルが全血である、請求項11に記載の方法。 請求項13 前記放射線源が、一連の電磁放射線パルスを生成するように構成され、前記検出器が、前記放射線源からの各電磁放射線パルスと、前記電気信号の発生との間の時間遅延を決定するように構成される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。 請求項14 前記サンプルを前記変換器に曝露する工程と、前記サンプルを照射する工程との間に前記変換器から前記サンプルを取り出すこと無しに実施される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。 請求項15 前記第1の試薬および第2の試薬が、存在する唯一の試薬である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。 請求項16 サンプル中の被分析物の検出装置であって、焦電または圧電素子および電極を有する、エネルギー変化を電気信号へ変換することが可能な変換器と、その変換器上に固定化された第1の試薬と、電磁放射線を吸収して無放射性崩壊によりエネルギーを発生することが可能な標識を有する、第1の試薬と解離可能に結合した第2の試薬(ここで、第1または第2の試薬のいずれかは、他方との結合を可能とし、かつ被分析物またはその被分析物の誘導体と優先的に結合することが可能な結合部位を有する)と、電磁放射線源と、その電気信号を検出するための検出器とを含む、装置。 請求項17 二つの側壁、上面、および下面を有するサンプルチャンバーをさらに含んでなり、前記変換器が前記チャンバー内に設置されている、請求項16に記載の装置。 請求項18 前記変換器が前記チャンバーの側壁の一つを形成しているものである、請求項16または17に記載の装置。 請求項19 前記変換器が前記チャンバーの上面を形成し、前記第2の試薬が前記サンプルの媒質より密度が高いものである、請求項16または17に記載の装置。 請求項20 前記変換器が前記チャンバーの下面を形成し、前記第2の試薬が前記サンプルの媒質より密度が低いものである、請求項16または17に記載の装置。 請求項21 前記第1の試薬が固定化された抗体であり、前記第2の試薬が標識被分析物である、請求項16〜20のいずれか一項に記載の装置。 請求項22 前記第1の試薬が固定化された被分析物であり、前記第2の試薬が標識抗体である、請求項16〜21のいずれか一項に記載の装置。 請求項23 前記変換器が、前記変換器上の防腐被膜、第1の試薬、および第2の試薬をさらに含んでなるものである、請求項16〜22のいずれか一項に記載の装置。 請求項24 前記標識が、炭素粒子、着色ポリマー粒子、色素分子、酵素、蛍光分子、金属(例えば、金)粒子、ヘモグロビン分子、磁性粒子、非導電性コア材料および少なくとも一つの金属シェル層を有するナノ粒子、赤血球、およびそれらの組合せから選択されるものである、請求項16〜23のいずれか一項に記載の装置。 請求項25 前記第1の試薬が前記変換器に吸着されているものである、請求項16〜24のいずれか一項に記載の装置。 請求項26 前記放射線源が、一連の電磁放射線パルスを生成するように構成され、前記検出器が、前記放射線源からの各電磁放射線パルスと、前記電気信号の発生との間の時間遅延を決定するように構成されるものである、請求項16〜25のいずれか一項に記載の装置。 請求項27 前記第1の試薬および第2の試薬が前記装置内の唯一の試薬である、請求項16〜26のいずれか一項に記載の装置。 請求項28 置換イムノアッセイにおいて標識試薬を測定するための、焦電または圧電素子および電極を含む変換器の使用。
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同族专利:
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引用文献:
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